B6サイズの200字詰め原稿用紙


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B6サイズの200字詰め原稿用紙


国際線ジェット機をまるで
電車の様に使い
世界中を飛び回り
国際会議のハシゴをする……

当時のSFマガジンの作家の近況欄には
小松左京のことをそう伝えていました。

当時書いた随筆に
「ホテル考」みたいなのがあって
最低限の均質なサービスを
パッケージしたカプセル
それがホテルの真骨頂だ
という結論を出しておられました。

それがニューヨークにあろうが
バンクーバーにあろうが
あるいは北京にあろうが
同じサービスを提供できること
それがホテルというものだというのです。

ユニークさは要らない
シンプルな共通性をのみ
自分は必要としているみたいな
非常にストイックな趣旨でした。

そして
B6サイズの200字詰め原稿用紙があれば
たとえ新幹線の中でも
自分は原稿をかけるのだ
という訳です。

「カッチョイーイ!」
当時の大学生である我々は
完全にヤラレテいたのです。
ちなみにB6サイズとは
京大式カードの大きさのことでした。

現在2013年ですので
2年ちょっと前になるでしょうか。
それまでたまにしか
音信の無かった友人から
珍しくメールが入っておりました。
内容は一言のみ。
「ワオー、何てコッタイ! 小松左京がー死んじまった…」

私は慌ててニュースを検索しました。
2011年、御年80才。
その友人に
メールの返事をすることもなく
茫然としているのみでした。

友人が書いた一言が
全てを物語っており
何も付け加えることはない
そんな気持ちでした。
(ワオー、何てコッタイ!)

僕らの青春が
今、終わった……。

おそらく
彼は私だけでなく
友人達にメールを打ち続けていたのでしょう。
(何てこったい!)
虚脱感を言い表してピッタリの言葉…。
いや心配はしていたのです。

「日本沈没第二部」は
別の人が代筆してましたし
公式ホームページには冒頭に
「若くしては親に従い、老いては子に従い、呆けては猫に従え」
などと人を食ったコメントと共に
猫と戯れている写真が
何枚か掲げられていましたから。

そうか
さすがの小松左京も惚けたのかと
ある程度の
覚悟はしていましたが。

この便りが
終止符を打ったということになりました。
「ワオー、何てコッタイ……」


SF THINK 提供著者:由宇 幸輔
利用小説サイト
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著者様には許可を得て、当サイトに紹介しております。


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